「知っている」だけでなく、「理解している」が大事

平成30年7月の豪雨災害は、西日本を中心に24の市町村に、河川のはん濫や土砂災害によって、甚大な被害を及ぼしています。避難の問題など多くの課題を浮き彫りにしています。
今回、甚大な浸水被害のあった倉敷市の真備町地区で山陽新聞が、被災住民100人に面談方式でアンケートを実施し、その結果が紹介されていました。
(山陽新聞の記事のページはこちら http://www.sanyonews.jp/article/766793/1/?rct=

アンケートによると、真備町地区は、旧真備町の町史に江戸期以降の水害の歴史が数多く記録されていて、過去に複数回、大規模水害に見舞われていたようですが、そのことを「知っていたが、備えていなかった」が68%、「知らず備えもしていない」は16%。
洪水への備えをしていた人で、この歴史を「知っていて備えていた」は13%、「知らないが備えていた」は3%という結果になっています。
「知っていたが備えていない」が多かったことは、避難の状況からもうかがえます。
今回の被災住民のうち水害時に自ら避難したのではなく、第三者に「救助された」のが42%で、「これまで経験をしたことがなかったから」とか「2階に逃げれば大丈夫だと思った」という理由が多い結果でした。
また、倉敷市が大規模水害を想定し作成した「ハザードマップ」は、2017年2月以降、真備町地区の全戸に配布されていたが、75%が存在を知っていたにもかかわらず、内容を理解していた人は全体の24%でした。
予測された浸水地域は今回の豪雨による実際の浸水地域とほぼ重なっていました。いざというときに必要となる情報は知っているだけでなく、内容を十分理解していなければ役に立たないのです。
浸水の被害は止めることはできませんが、早めの避難をすることで自分や家族の安全を確保できます。
あらかじめどんな災害の時に避難が必要なのか、避難のタイミングや避難先、避難方法、避難路などを家族で話しておくことが重要です。
自分の住むまちの地勢や地盤、歴史などを知って、どんな災害がこれまでに起きたのか確認しておくことも必要でしょう。
地球温暖化などの影響で、これまでの記録を超える大雨が日本のあちらこちらで起こっています。
今一度、自分の住む町の歴史や、ハザードマップを確認して、災害や避難について考えてみましょう。